コラム

グループの名前決め

宿泊保育のグループが決まり、一番初めのグループ活動“グループの名前決め”が行われました。男の子のグループはそれぞれ違う名前にすぐに決まりましたが、女の子のグループは偶然同じ名前になってしまいました。

「さあどうしましょう?」と担任、「じゃあ、こっちのグループは○○でもいいんじゃない?Tちゃんがいってたやつ~」「そうだねそうだね」「いいよいいよ」と片方のグループが違う案も上がっていたようですぐに決まりそうな様子でした。するとグループ担当の先生が「ちょっとまって、Oちゃんのお顔見て~なんかお話ありそうじゃない?」「なあに?どうしたの?」「やっぱり△△がいい…」とOちゃん。すると、もう一つのグループが「じゃあわたしたちがちがうのにする?」と相談が始まりましたが、グループの一人が「え~やだ~」と泣き出しそうです。見かねた大人が「いったん△△は置いておいて、どちらも違うのを考えるっていうのはどう?」、暫く「だって△△じゃなきゃいやなんだって」「でもさ~Oちゃんもじゃん」「そうだね~」と交わしていましたが結局違う名前も考えようということになり、その後はどちらのグループも意見が沢山上がっていました。結局それぞれ違う名前に決まり、一件落着。まさに5歳児らしい子ども達の決め方に逞しさや思いやり、各々の協調性の育ちに関心しました。

意見を活発に出す子、しばらく黙っていたけど周囲の意見を聞いてまとめるように意見する子、参加できているのかな?と気になりながら見ていた子が最後に意見し、みんなが賛成のグループ名に決まるなど、子ども達には、素晴らしい個性の認め合いがそこにあることを実感しました。素敵ですね!

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2026年7月号から抜粋)

○○ごっこ遊び

先日、5歳児2名が神妙な顔をしながら事務所に入ってきました。一人のお子様が「目を叩かれた…」と片目を指さして話し始めました。「おっ?(ばら組さんのケンカで顔?)なんで目を叩いちゃったの?」と問いかけると「だって…、“なぐりあいごっこ”をしてたら当たっちゃったんだもん…」と涙目で叩いてしまったお子様が説明していました。遊びの延長線上で当たってしまった事、加減をしながら遊ぶ事が必要だった事を諭すようにお話ししましたが、私が一番ショックだったのは“殴り合い”という言葉が5歳児の口から出て、普段の遊びの中でごっこ遊びとして広まっている事です…。

昔から“戦いごっこ”“ポケモンごっこ”などで、火を噴く真似や手のひらから相手に向けて「ハっ!!」という場面などはありました。フォートナイトのような“撃ち合いから最後まで生き残るゲーム”も一時期、流行し、ブロックで銃を作って標的となる友達、ものを撃つ「ごっこ遊び」が流行り、その当時のお子様たちにお話しした事もあります。

今回も同じようなケースではありますが、 “殴り合い”という言葉が5歳児から…。どうなのでしょうか?そのお子様はその場面をどこかで“見たり”“聞いたり”して遊びの中に取り入れているということ…。そして『殴る』という言葉を躊躇なく使う事…。とてもショックでした。その2人にも私の今感じている気持ちを素直にお話ししました。「そうなんだ…」という表情で、2人で顔を見合わせて「もう(使うの)やめようね…」と言っていました。

まだまだ現実と作り物(動画やアニメ、ゲームなど)の分別がつかないお子様にとって、動画やSNSで流れてくる画像を意味も分からず、見たもの、聞いたものを“発してみたい”、周囲の大人、大きい兄姉が使っている言葉など真似て“使ってみたい”など、この乳幼児期は素直に周囲の状況を吸収します。

画面の向こう側で殴り合っているシーン。我が子が社会(保育園)で同じ行為をするお子様に育ってしまうという意識、気をつけなければならないということ…。今は注意を払っていても色々な動画が流れてくる世の中です。大人が上手にコントロールする事、改めて感じた先日の場面でした。

「白樺」園長 品川 晃彦
(「白樺」もえぎ 2026年6月号より抜粋)

気持ちを伝えるようになる

「どうしたの?」泣いている事に気付いた友達がA君に声を掛けてくれています。「・・・」「いやなことがあったの?」「・・・」、反応がありません。

近くにいる先生が、様子を察して「○○だったの?」と聞いてあげると、「うん」とうなづきますが、すっきりとしない表情です。

また、折り紙遊びをしているときに、グループ毎に容器に入った糊がテーブルに用意されているのですが、友達が使った後に遠くの方に容器が移ってしまい、自分も使いたいのに言い出せないでいる。「ぼくも使いたいから貸してって言うんだよ」「みんなで使うから真ん中に置いてよと言っていいんだよ」と大人に助けてもらって、「ぼくも使いたい」と小声で言う。

自分の思いや意志、気持ちを、言葉で表現することが苦手なお子様の姿が気になります。発達の違いや個人差がある時期ですが、大人から声を掛けてもらう、やってもらうことを待っている、受け身の姿勢が目立つように思えるのです。

「○○したい」「いやだ」「ねえ、○○できないからやって」「ぼくが使っていたんだよ、順番だよ」と自分の意思表示が相手に伝わるようにできる事は、安心して生活をするために大切な事です。思いを伝えられないと不安が重なり、心の中が晴れない状態がつづくために自発的に行動することもできません。

周囲の状況を判断して、自分で行動に移せる子にして就学を迎えられるようにしたいと考えています。大人の都合で指示や命令をするのではなく、「周りを見て考えてみよう」「どうしたらいいかな」と周囲の状況を自分で感じて、考えて行動できるように声かけをすることを大切にしています。

自分の気持ちをどのように表したら良いのかもわからない年齢の子ども達ですから、その都度、状況に合わせた応対の積み重ねが必要です。

「はやくやって!」と急かすのではなく、「どうしたいの?」と自分で考えて判断する、また行動する機会をなるべく多く作って行き、考えられたときや言えたとき、行動に移せた時には褒める、その積み重ねが大切なようです。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2026年7月号より抜粋)

子ども達は虫さんが大好き

子ども達は虫さんが大好きです。幼児クラスではカイコを飼育したり、園庭ではダンゴムシ探しに夢中の子も男女問わず少なくありません。また乳児はアリさんを見つけてつまんだり踏みつける行動にでるのも良くある姿です。そんな時には、「アリさんいたね、お出かけかな?、ご飯探しているのかな?」「わざと踏んづけたら可愛そう」「バイバイ」など子どもの興味関心に向き合うようにしています。

ただ最近、送迎時に道路で虫を見つけ、しゃがみ込んで観察している親子を見かけることがあります。子の興味に沿ってあげることは大切な事で親子での微笑ましい姿と捉えることもできるのですが、一方で安全への配慮、場所をわきまえて行動することを教えることも必要です。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2026年6月号より抜粋)

得意不得意を分かり合い、助け合っていく

今年卒園式を迎えるばら組さんは、乳児期にコロナ禍を迎え、心身の機能発達が著しく成長していく貴重な時期に、経験させてあげたいことが必然的に出来ない日々が続き、保育園生活の中で何が出来るのか、そして制限が解除されるごとに取り戻しはどのようにして
いくのかを全職員で模索しながら懸命に取り組んできました。そんなばら組さんがいよいよ卒園します。

“みんなちがってみんないい”、お子様一人ひとり個性があります。一緒に生活してきたお子様たちは日々の中で、お友達の得意な事、得意ではなさそうな事も分かり合い、助け合っていく姿に感動します。

長距離を歩くことが難しいMちゃん、お友達と一緒に手をつなぎ歩くことが上手になり、少し長め距離に挑戦した日のことです。帰り道に座り込んでいると「つかれちゃったね!ちょっとおやすみする?」と一緒に座ってくれるAちゃん、そのうちAちゃんが歩き出すと自然とMちゃんも歩き出しました。

保育の流れの中で遊びへの切り替えが難しいO君、「ぼくといっしょにきょうりゅうつくらないの?」と上手にO君の得意な物で誘ってくれるR君。

作品展の共同製作での図面づくりが難しいとみんなで考えていた時に「あ!○○くんならえがじょうずだからかいてもらおう!」と発案するT君。

お友達同士の喧嘩が始まると「どうしたの?」と一緒にお互いの言い分に共感しながら解決方法を考えたりお友達が転んでしまうと「だいじょうぶ?」と自分の事かのように傷口をのぞき込み、水で流すところまで一緒に動いてくれる等、どのお子様達もとても優しいです!

そしてそのかかわりはごく自然で思いやりが感じられます。それは、職員たちがお子様一人ひとりの心に寄り添っていく日々の中で自然とお子様同士が寄り添っていくように育っているのだと思います。そんな嬉しい姿を見せてくれるばら組のお子様達に感謝の気持ちでいっぱいです。

来年度もまた、心を大切に育んでいく保育に臨んでいこうと思います。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2026年3月号から抜粋)

「部屋のダンボールつけてください」

 私がいる部屋の一角には、折り紙や画用紙、ガムテープやビニールテープ、紙テープ等日常的に子ども達の遊びの中で使う教材が置かれているコーナーがあります。

「セロテープを1個下さい」「ガムテープを2個ください」「赤い折り紙をください」と子ども達からの注文は様々です。「はい、どうぞ」と手渡すと、「ありがとうございました」と会釈し、部屋を出て行くときには「失礼しました」と言って出て行くばら組さんもいます。「あのね、折り紙ね、ほしいの…」と自分の思いをつたえようと精一杯の表現で訴えてくる子もいます。「そう、何色の折り紙?」と聞きながら、折り紙が置かれている棚の所に連れていくと、「えっと、赤と、青と、緑と、黒と、黄色」と棚の折り紙を見ながら伝えてきます。「わかった、何枚ずつかな?」「ぜんぶ一個ずつ」「そうか全部一枚ずつね」と手渡すとありがとうございました、とお部屋に戻っていくひまわり組さん。

日本語には、色、数え方にも様々な呼称があります。生活の中で必要な言葉遣いを経験から覚えていく子ども達です。特に幼児期には、挨拶も含め、様々な場面で、適材適所で大人が正しい言葉遣いの手本を示し伝えていくことが必要なようです。

私のいる部屋には館内のエアコンを管理するスイッチもあるため「きりんの部屋の暖房をつけてください」「ホールの暖房を付けてください」、作品展でダンボールを扱うこの時期には「しかの部屋のダンボールつけてください」とお手伝いで降りてくるさくら組さんの姿もあり、「はいわかりました、だんぼうね、お部屋を暖かくするのね」と言葉を返すと「そっか、だんぼうだった」と笑いながら言い直し、スイッチを入れたことを確認すると「ありがとうございました」とお辞儀も上手にできます。「お兄ちゃんになったな」と誉めると嬉しそうにしてお部屋に戻っていきます。

耳から聞いた音の情報で言葉を覚えるこの時期には、こうした日常の会話、やり取りから言葉を覚えていきます。幼稚語や発音が気になる場合には、穏やかに、ゆっくり、はっきりと口の動きを見せて伝えて行くことも大切です。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2026年2月号より抜粋)

会話らしいやりとりを日々積み重ねて

3学期のお子様達は、慣れ親しむ保育士やお友達の中でのびのびと過ごしています。

お子様達一人ひとりの発達や性格など、日々の積み重ねの中で理解してきている担任達は、お子様達の自信に繋がるちょっとした言葉がけや遊びの工夫など、小さな達成感を大切に過ごしています。りす・こあら組のお子様達も会話らしいやりとりがみられるなど微笑ましい姿が多くなりました。連絡帳からもご家庭での心温まるメッセージが届いていますので、お知らせしたいと思います。

1歳8か月 K君

(担任からのお迎え時の報告で、アンパンマンシリーズのチーズのぬいぐるみが気に入り、嬉しそうにギュー!と抱きしめていたことを報告) 

夜、Kちゃんが「あんぱんまん!」「ち~!」と話してきたので、理解できて「チーズと遊んだのね!」と同調できて、Kちゃんも分かってもらえて嬉しそうでした!

2歳3か月 Hちゃん

車に携帯を忘れてしまい、母「ママ、携帯取ってくるね」H「うん!いってらっしゃい!」ダッシュで取り戻ると、H「あ!ママ!おかえり!」「けーたい!」母「うん、ありがとね!携帯取ってこれたよ~」H「よかったね~」と嬉しそうに喜んでくれました。何気ない会話ですが、言葉にしていく大切さを改めて感じました。

(日頃、怒ったり泣いたりと自我との向き合い方に悩みながら、気持ちを言葉にしてみる生活を心がけることについて、連絡帳を通しての相談を重ねていました)

親子の微笑ましいやり取りの光景が目に浮かびます。こんなに小さくてもしっかりと思いを伝え、お母様と心を交わしていますね。お子様の嬉しそうな表情が目に浮かびます。ご家族がお子様の思いを読み取り、受け止め、理解してもらえる経験の積み重ねは、発語やコミュニケーション、心の育ちに大きく繋がります。

ぜひ親子で思いを交わし合う会話ややり取りをたくさん重ねてくださいね。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2026年2月号から抜粋)

本年もどうぞよろしくお願いします

新年、あけましておめでとうございます。

“日本の社会が人々に温かく、一人ひとりが安心して心穏やかに過ごせる暮らしを願う”

毎年初詣で祈願している言葉です。今年は年末年始のお休みを長く頂けたこともあり、元旦に広島の平和記念公園にて“世界平和”を祈る時間を得てきました。“人が穏やかに暮らせることの意味”“人間の温かさ、人間らしい交流の大切さについて”改めて考える時間となりました。

年明け5日から久しぶりに登園してくるお子様達、小さなお子様は少し涙を見せる子もいますが、ほとんどのお子様は笑顔で元気に遊び出していました。保育者たちは登園予定のお子様が好きな遊び、関心の高いこと、また大きな子ども達は家庭で遊んできたであろうカードゲームなど用意をし、夢中に楽しむ姿の中には大人も一緒になって満面の笑みを浮かべていました。

私もそうですが、やはりこの仕事は子ども達とのこのような時間が大好きで、一緒に遊んだり会話をしたり、時々起きる“いざこざ”の中で触れる子どもの怒りや悲しみ、心の痛みに向き合いながら、子ども達が周囲の状況や人の心を受け入れていく姿に、人としての成長を感じやりがいとなっていく、本当に有難い仕事をさせて頂けていることを実感しています。保育士のみならず調理室等職員みんなが子ども達を可愛がり、久しぶりに会う子ども達に笑顔を向けています。

この温かな職員たちと共に、本年も精一杯お子様一人ひとりに向き合い、最善を考えながら励んでいきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2026年1月号から抜粋)

 

“どうしたの?、なにが嫌なの?”

電車の中での一コマです。ドア2つ分くらい離れていたでしょうか、子どもの泣き声が聞こえました。“なにかダダをこねて叱られたかな?”と思っていましたが、2駅すぎても3駅過ぎてもその泣き声はいっこうにおさまりません。むしろ泣きながら主張しているかのようでした。両親は近くにいたのですが、母親はその事態にオロオロ…、父親はイライラしながらも子の背を叩いてなだめますが泣きやみません。

近くにいた乗客も可哀想にと眺める人、あきれ顔の人と様々でした。離れていたことから泣き出した原因はわかりませんが、“泣いて訴えているその理由”に両親ともに向き合えていない、また向き合おうとしていない、若しくはどうしらた良いのかわからない状況にあったように感じました。

“どうしたの?、なにが嫌なの?”、“○○をしたい気持ちはわかるけれども今は我慢だよ!”、など子どもの気持ちを受け止めてあげて、整理をつけてあげられないために余計に泣いて主張が強くなっている、そんな印象を受けたのですが、実際のところはわかりません。

気持ちを理解しすぎて、子ども中心で親が振り回されてしまうのも気になりますが、なぜこのような態度に出るのか、心の中でモヤモヤしている心理を察し、まずは子どもの気持ち、主張を受け止めて向き合い、受容してあげることが大切です。

その上で今はできない、してあげられない、電車を降りてからね、などと子が納得できるように言い聞かせてあげられればこの子の心も救われたのかも知れません。

自分の気持ちに向き合ってもらえない、いらだちがさらに自己主張を強くするのではないでしょうか。

公共の場で、よく目にする光景ですが、皆様はどのようにお考えになるでしょうか。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2026年1月号より抜粋)

子どもに手伝いをさせよう

手伝いは一番身近な体験の場。食事の後片付け、部屋の掃除、洗濯物干し、片付けなどの手伝いを続けるうちに、生活の知恵を会得することにつながります。

「○○の部屋のだんぼーるをつけてください」これからの時期、子どもたちがお手伝いで事務所にやってくる季節です。2階のお部屋の先生に、「お手伝いしてくれる?」「うん、いいよ」「事務所に行って○○の部屋の暖房をつけてくださいって言ってきてくれる?」というやり取りの後に事務所にやってきた子どもたちの姿です。“お手伝いをするんだ!”と意気揚々と廊下、階段を通って来るうちに、“だんぼう・だんぼう…”と考えながらくるのでしょう。途中で“だんぼう”???“だんぼーる”と知っている言葉に入れ替わってしまった微笑ましい場面です。

そんな時も、間違った言葉を否定するのでは無く、「はい、わかりました、“だんぼう”ね、だんぼうつけるのね」と正しい言葉を改めて大人が伝えると、「うん、だんぼうつけるの」と言い直します。「おてつだいしてくれてありがとう」とお礼をいうと、嬉しそうに2階に戻っていきます。

ときに暖房という言葉が難しいお子様には、「○○の部屋を暖かくして下さい」とわかりやすい言葉でお手伝いを頼まれてくる事もあります。

1,2歳クラスのでも「ティッシュを下さい」「ポケットティッシュを3個ください」とお手伝いができます。そんな経験から物の名称を覚えたり、「1個、2個3個」と数えて渡すことで数量に触れ覚える機会にもなります。

お子様の年齢によってお手伝いできる内容も様々ですが、ご家庭での日常場面では、「カレーに入れるジャガイモを3個下さい」「赤いカバンを持ってきて」「長ネギの長い方を持ってきて」など数量や色、形などをお子様が考えて行動するようなことをお願いするなど少しの工夫が思考力や知的好奇心を刺激することになります。

1,2歳のお子様でも「ゴミを捨ててきて…」や「ママの○○持って来て」など、日常生活の中で大人が使っている物の名称や行動を示す言葉は、耳から聞いていて、話せなくても理解していることも多いのです。そして“助かったよ、手伝ってくれてありがとう”と声を掛けてあげましょう。

お手伝いを毎日必ずやらなければならない課題とするのではなく、「手伝ってくれてありがとう」「助かったよ」「うれしいな」などの言葉をたくさんかける機会をつくることで、役に立つことの喜びを感じ、いずれ自己肯定感や家族の一員としての自分の存在を確認することにつながるのでしょう。

私事ですが、幼かった時、毎朝、新聞を郵便受けからとってきて、父親が座る座卓に置くのが日課でした。小学生になってからは、玄関の掃き掃除、父親の革靴にブラシを掛けるのが私の朝の仕事でした。ピカピカに光らせることが嬉しくて、靴墨を塗って磨いたこともありました。厳格な父親から「ありがとう」と言われてとても嬉しかったことを覚えています。

自分がしたことを褒めてもらうこと、よろこんでもらえること、お子様にとっても大きなよろこびと自信につながります。生活の中で工夫してみてはいかがでしょうか。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2025年11月号より抜粋)