得意不得意を分かり合い、助け合っていく

今年卒園式を迎えるばら組さんは、乳児期にコロナ禍を迎え、心身の機能発達が著しく成長していく貴重な時期に、経験させてあげたいことが必然的に出来ない日々が続き、保育園生活の中で何が出来るのか、そして制限が解除されるごとに取り戻しはどのようにして
いくのかを全職員で模索しながら懸命に取り組んできました。そんなばら組さんがいよいよ卒園します。

“みんなちがってみんないい”、お子様一人ひとり個性があります。一緒に生活してきたお子様たちは日々の中で、お友達の得意な事、得意ではなさそうな事も分かり合い、助け合っていく姿に感動します。

長距離を歩くことが難しいMちゃん、お友達と一緒に手をつなぎ歩くことが上手になり、少し長め距離に挑戦した日のことです。帰り道に座り込んでいると「つかれちゃったね!ちょっとおやすみする?」と一緒に座ってくれるAちゃん、そのうちAちゃんが歩き出すと自然とMちゃんも歩き出しました。

保育の流れの中で遊びへの切り替えが難しいO君、「ぼくといっしょにきょうりゅうつくらないの?」と上手にO君の得意な物で誘ってくれるR君。

作品展の共同製作での図面づくりが難しいとみんなで考えていた時に「あ!○○くんならえがじょうずだからかいてもらおう!」と発案するT君。

お友達同士の喧嘩が始まると「どうしたの?」と一緒にお互いの言い分に共感しながら解決方法を考えたりお友達が転んでしまうと「だいじょうぶ?」と自分の事かのように傷口をのぞき込み、水で流すところまで一緒に動いてくれる等、どのお子様達もとても優しいです!

そしてそのかかわりはごく自然で思いやりが感じられます。それは、職員たちがお子様一人ひとりの心に寄り添っていく日々の中で自然とお子様同士が寄り添っていくように育っているのだと思います。そんな嬉しい姿を見せてくれるばら組のお子様達に感謝の気持ちでいっぱいです。

来年度もまた、心を大切に育んでいく保育に臨んでいこうと思います。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2026年3月号から抜粋)

会話らしいやりとりを日々積み重ねて

3学期のお子様達は、慣れ親しむ保育士やお友達の中でのびのびと過ごしています。

お子様達一人ひとりの発達や性格など、日々の積み重ねの中で理解してきている担任達は、お子様達の自信に繋がるちょっとした言葉がけや遊びの工夫など、小さな達成感を大切に過ごしています。りす・こあら組のお子様達も会話らしいやりとりがみられるなど微笑ましい姿が多くなりました。連絡帳からもご家庭での心温まるメッセージが届いていますので、お知らせしたいと思います。

1歳8か月 K君

(担任からのお迎え時の報告で、アンパンマンシリーズのチーズのぬいぐるみが気に入り、嬉しそうにギュー!と抱きしめていたことを報告) 

夜、Kちゃんが「あんぱんまん!」「ち~!」と話してきたので、理解できて「チーズと遊んだのね!」と同調できて、Kちゃんも分かってもらえて嬉しそうでした!

2歳3か月 Hちゃん

車に携帯を忘れてしまい、母「ママ、携帯取ってくるね」H「うん!いってらっしゃい!」ダッシュで取り戻ると、H「あ!ママ!おかえり!」「けーたい!」母「うん、ありがとね!携帯取ってこれたよ~」H「よかったね~」と嬉しそうに喜んでくれました。何気ない会話ですが、言葉にしていく大切さを改めて感じました。

(日頃、怒ったり泣いたりと自我との向き合い方に悩みながら、気持ちを言葉にしてみる生活を心がけることについて、連絡帳を通しての相談を重ねていました)

親子の微笑ましいやり取りの光景が目に浮かびます。こんなに小さくてもしっかりと思いを伝え、お母様と心を交わしていますね。お子様の嬉しそうな表情が目に浮かびます。ご家族がお子様の思いを読み取り、受け止め、理解してもらえる経験の積み重ねは、発語やコミュニケーション、心の育ちに大きく繋がります。

ぜひ親子で思いを交わし合う会話ややり取りをたくさん重ねてくださいね。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2026年2月号から抜粋)

本年もどうぞよろしくお願いします

新年、あけましておめでとうございます。

“日本の社会が人々に温かく、一人ひとりが安心して心穏やかに過ごせる暮らしを願う”

毎年初詣で祈願している言葉です。今年は年末年始のお休みを長く頂けたこともあり、元旦に広島の平和記念公園にて“世界平和”を祈る時間を得てきました。“人が穏やかに暮らせることの意味”“人間の温かさ、人間らしい交流の大切さについて”改めて考える時間となりました。

年明け5日から久しぶりに登園してくるお子様達、小さなお子様は少し涙を見せる子もいますが、ほとんどのお子様は笑顔で元気に遊び出していました。保育者たちは登園予定のお子様が好きな遊び、関心の高いこと、また大きな子ども達は家庭で遊んできたであろうカードゲームなど用意をし、夢中に楽しむ姿の中には大人も一緒になって満面の笑みを浮かべていました。

私もそうですが、やはりこの仕事は子ども達とのこのような時間が大好きで、一緒に遊んだり会話をしたり、時々起きる“いざこざ”の中で触れる子どもの怒りや悲しみ、心の痛みに向き合いながら、子ども達が周囲の状況や人の心を受け入れていく姿に、人としての成長を感じやりがいとなっていく、本当に有難い仕事をさせて頂けていることを実感しています。保育士のみならず調理室等職員みんなが子ども達を可愛がり、久しぶりに会う子ども達に笑顔を向けています。

この温かな職員たちと共に、本年も精一杯お子様一人ひとりに向き合い、最善を考えながら励んでいきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2026年1月号から抜粋)

 

「ティッシュください」

園庭から入る事務所前のテラスに2歳児の子ども達3名が一生懸命に靴を脱いでいます。担任はもちろん、大人が誰もいないので、どうしたのかな?とみていると、「ティッシュください」と一人の子が入ってきました。次に入ってきた子が続けて「ティッシュ3こください」、そしてもう一人入ってきました。

「ひとりずつあげればいいのかな?」というと「うん!」。その後、ティッシュを下に置いたり、ポケットにしまったり、それぞれが大切にしながら自ら靴を履き、園庭に向かっていきました。しかし、一人は別の方向に、二人は1歳児の担任の所に向かっていきます。

1歳児の担任から頼まれたのかな? なぜ一人は別の方向に向かってしまったのかな? なぜ3個?… 私の頭の中で疑問が残り、1歳児の担任が事務所に来た時に聞いてみました。急にやってきて「ティッシュとってくるからもってて!」とフラフープを預けられたとのこと、ティッシュを受け取りつつその担任も “?” となっていたとのことでした。

結局は誰が頼んだのか? どうしてフラフープをわざわざ預けたのか? 分からず仕舞いでしたが、ここに子ども達の世界の思考を感じました。お手伝いが大好き、頼まれたお友達が羨ましく自分も行きたい、競えば喧嘩になる、気持ちよくもらうには人数分、遊んでいた遊具を他の子どもに使われてしまうのは嫌…、子ども達との生活の中にいる私は勝手に様々な事が浮かんできました。

決していざこざになることは無く、満3歳を過ぎた子ども達が、今までの数々の経験から自ら考え、友達と交わしていくこの姿に感動しました。正解も間違えもない一見意味の分からないこの行動ですが、このような子ども達の時間・世界を守っていきたいと感じた朝のエピソードでした。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2025年12月号から抜粋)

“自分でやろう!”と思ったときは何でもできる!

10月より入園したY君。入園後まもなく開催される秋の運動会への参加は、無理をせずに当日まで様子をみてから判断しようと相談をしていました。慣れない生活です、不安があって当然なので、種目に関する活動は本人の意思を第一に、「やってみようと思ったらやろう!」と担任と相談をしてきたようです。

“かけっこ” や “何でも挑戦” は見通しももちやすかったのか、比較的早い頃から一緒に参加していました。“マスゲーム” に関してはやはり参加は難しく、音楽を流す職員と一緒に見ていることが多かったY君、運動会前日の日のことです。「のぞみせんせいがきたらやる!」と園長先生に話していたようで、最初から最後までお友達の姿を見ながら一生懸命に、そして嬉しそうに参加していました。そのY君の意欲は、お友達の心も動かしたのでしょう。隊形移動の際には「Yくんここだよ」と教えてくれたり、Y君の移動が遅れると待ってくれたり…、まさにばら組みんなが友達を気遣い、心を一つにして見せてくれたマスゲームでした。

理事長の言葉「“自分でやろう!”と思ったときは何でもできる!出来なかった時は“やろう!”っていう気持ちになれなかった時だね」(白樺の運動会閉会式でお話されていました)、この一例はまさに前者の光景です。“自分でやりたい” “ちょっとドキドキするけどやってみよう!”とお子様たちが自らその気で動いている時には、多少上手くいかなくても、自分でなんとかしようと必死に取り組んでいるようにみえます。

子ども達が自らやろうとしていることを見守り、意欲を引き出す魅力的な環境やかかわりの工夫を、担任達と共に今後も重ねていきたいと思います。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2025年11月号から抜粋)

親子で気持ちの受け入れ合いを重ねながら

先月は2学期がスタートしたものの猛暑が続き、引き続き暑さ対策を続けながらの保育展開を心がけていきました。中旬過ぎからは園庭で遊ぶ時間も長くなったり、エアコンを使用しないで過ごせる日もあり、ようやく園外保育や戸外での運動遊びを取り入れることが出来るようになりました。

お子様たちの日々の成長は身体のみならず心も成長しています。我が子の心の成長を実感、素敵なエピソードが届きましたので、お知らせしたいと思います。

1歳児 Hちゃん(連絡帳より)

昨日はHちゃんの成長を感じることがありました。お風呂に入るまでは毎度のこと時間がかかり大変ですが、入ったら入ったで遊びたくて「ふえ~ん!」と泣きます。しかし、「もっと遊びたかったね」「楽しかったよね」と共感すると気持ちも落ち着き「お風呂でる?」「うんっ!」とすぐに切り替え。「切り替えられてえらかったね!すごい(手拍子)!」とほめてあげると、満面の笑みで抱きついてきました。大人でも切り替えるのは難しい…でも頑張る子どもの姿にすごいなあ~。と感心でした。

1か月前あたりに「我が子が言うことを聞かない!共感してあげたい気持ちもあるが時間もないし…」と戸惑われていたHちゃんのご両親。連絡帳内での相談後、まずは子の思いに共感、そして親の思いも伝えていきながら親子で気持ちの受け入れ合いを重ねながら温めてきた関係性が伝わります。

我が子の切り替えの姿から大人の姿を振り返り、子どもからの学びとして捉えられているところがさらに素敵に感じました。子育てはいつでも親子で成長ですね。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2025年10月号から抜粋)

僕はシャワーにする!

年々増加する猛暑日、保育園での生活も室内で過ごす時間が多くなりました。朝のうちの気温が上がり過ぎてはいない時間(うさぎ組からばら組のお子様たちは登園から1時間程度、りす・こあら組のお子様は少し保育室で過ごした後30分~40分程度)、園庭で虫取りなどをしながら存分に汗をかいて遊び、その後プール遊びや水遊び・シャワーなどで汗を流し、さっぱりとしてから昼食を食べ、お昼寝…。

室温や水分補給に気を配りながらも、生涯を健康に過ごすための身体作りをしているこの乳幼児期のお子様たちにとっての夏の生活としては、健康的に過ごせたのではないかと思います。中には夏の疲れからか体調を崩すお子様もみられましたが、感染症が大きく広がることなく過ごすことが出来ました。皆様のご理解ご協力に大変感謝しております。

5歳児R君

前日に身体に痛みがあり受診、たいしたことはなく登園しましたが、看護師と相談したところ、プールへの入水は控えておこうかということになりました。納得がいかず返事をしないでいたR君、「プールの中で楽しく遊びながらお友達とぶつかるとまた痛くなるかもしれないからやめた方が良いかな?ってお話だから、少しだけ入って上がることにする?」と話すことで納得、保育室に向かいました。大人間で入水方法を打ち合わせし、いざプールの時間になると「僕はシャワーにする!」と自ら判断しプールへの入水はしませんでした。

“子どもが自ら考えて判断する” “納得し自分で決めること” とても大切ですね。大人は「え?さっきと言ってることが違う?」と感じてしまいますが、このようにあれこれと言い聞かされた後や、分かってはいるけど主張の方が強くなってしまっていた時などに、子ども自身が再度よく考え直し判断することがあります。

大人に言われてするかしないかを決めることよりもずっと大切なことですよね!

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2025年9月号から抜粋)

伝言

3歳児Eちゃん

「〇〇へやの??コン・・・?」 「あのね・・・、すずしくするの、あついから」きっとエアコンをつけてほしいことの伝言を頼まれ、事務所にやってきたのでしょう。使い慣れない言葉に戸惑い、 一生懸命に考え、自分の言葉で伝えてくれました。

4歳児T君

「コピーしてください」
「何枚するの?」
「えーと、えーと、」指で数えています。
「先生には何枚って言われたのかな?」
「あのね、〇〇君と〇〇ちゃんと・・・」一緒に遊んでいるお友達を思い浮かべながら、 必要枚数を考えながら数えていました。

毎日のようにお子様たちは何かしら担任に頼まれ、お手伝いとして事務所にやってきます。頼まれたことを意気揚々と伝言に来るお子様たちです。先生が言った言築を呪文のように繰り返しながら、そのままの言葉を必死に伝えようとするお子様、今回の事例のように頼まれた事柄を自分なりに理解し、自分の言葉で伝えようとするお子様、みんな真剣さはそれぞれです。不安なうちはお友達と一緒に来て声にするお子様もいます。

”頼まれたことを自分の言葉で伝える” ”人の役に立つ喜びを感じる” 日常でのこのような些細な経験が、自信となり、覚える力、考える力に繋がっていきます。たくさん経験させてあげたいですね。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2025年7月号から抜粋)

“子どもの心”の理解を深める

保育園で生活をするお子様達は、自分の思いを言葉で伝えることがまだまだ難しい年齢です。0歳児の赤ちゃんだけでなく、言葉を使うようになった幼児部のお子様でも、自分の気持ちを上手に言葉で伝えたり、相手に状況を説明するなど、言葉を使ってコミュニケーションを取りながら生活することは難しいものです。

子どもの気持ちがよく分からずに大人が戸惑い悩んでしまったり、また、子ども同士がうまく思いを伝えられずに、お友達と喧嘩になってしまうのも当然ですよね。子どもの思いを理解し受け止め共感したり、時には気持ちに寄り添いながら言い聞かせるなど、“子どもの心” を感じながら子どもの身になり考えていく生活は、子育てのコツとも言えます。そして共感してもらえた心の基盤が、今後の心の成長の糧となっていくようです。

1歳児R君

お母さんとの離れ際からしばらく泣いてしまうR君。玩具に誘ったり遊び出せるような担任達の工夫は、逆に泣きが強くなり受け入れてくれません。抱っこをしてもらっていると安心するようなので暫くそうすることに…、すると泣かずに周囲を見るようになってきました。’‘抱っこ’’という安心スペースが遊びへの関心に心を向けてきたようです。眠る・食べる・抱っこしてもらう、3つの安心材料が基盤となり、最近では自ら歩いて関心のある玩具を取りに行ったり、時折笑顔もみせてくれるようになってきました。

お子様達の仕草や目線・表情・会話・行動などから感じる“子どもの心”をお伝えしたり、ご家庭で感じられた姿もお知らせ頂きながら、皆様と一緒に“子どもの心”の理解を深めていきたいと思います。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2025年5月号から抜粋)

少し自信ないことも乗り越えて

4歳児Aちゃん

ガーゼで頬を冷やしながら事務所にやってきたNちゃん。後ろから泣きながら担任と一緒にAちゃんが入ってきました。二人の様子をみていると喧嘩をしたような様子ではありません。担任がいろいろと尋ねても「ちがう!わかんない!」と泣きながら怒るばかりです。「そうなのか~、じゃあどうしたの?」「わかんない!」「〇〇なの?」「ちがう!」しばらく続いた後に、「やだったの!」急につぶやきました。
どうやらAちゃんにとっては少し自信のないフープくぐりゲームに自らやってみようと参加し、頑張ったにもかかわらずフープがNちゃんに当たって負けてしまったことが悲しかったようです。大人の声掛けをきちんと聴き自分の気持ちに向き合い、泣きながらではありましたが、最後は自ら伝えられたことが一つの自信となったのでしょう、今まではお友達と一緒に事務所への伝言やお手伝いに来ていたのですが、最近は一人で意気揚々とやってきます!私があえて違う質問しても「違うよ。〇〇!」と堂々と返答します。

5歳児Yちゃん、3歳児H君

「〇部屋の暖房消してください」Yちゃんが小声でH君にささやきます。「〇へや、けって」H君、Yちゃんはクスツと笑い再度耳元でささやきます。それでもH君の言葉は変わりません。それでもYちゃんが言ってしまうのではなく、最後までH君に言わせてあげようとする姿に感動しました。

少し自信のないことでも”やってみよう” ”言ってみよう”とする勇気、一年間一緒に過ごしてきた3歳児の子どもの成長を私たち大人と共に喜ぶ5歳児、微笑ましくまた頼もしく感じたエピソードでした。

お子様達の年間の成長は著しいものです!この環境に感謝しながら、今後も励みたいと思います。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2025年3月号から抜粋)