”子どもの心”について

保育園で生活をするお子様達は、自分の思いを上手に言葉を使い伝えることがまだまだ難しい年齢です。0歳児の赤ちゃんだけでなく、言葉を使うようになった幼児部のお子様でも、言葉を選んで自分の気持ちを伝えたり、状況を相手に説明するなど、言葉を使ってコミュニケーションを取りながら生活することは難しいものです。子どもの気持ちがよく分 からずに大人が戸惑い悩んでしまったり、また、子ども同士がうまく思いを伝えられずに、お友達と喧嘩になってしまうのも当然ですよね。

子どもの思いを理解し受け止め共感したり、時には気持ちに寄り添いながら言い聞かせる等、子どもの心を感じながら子どもの身になって考えていく生活は、子育てのコツとも言えます。そして、たくさん共感してもらえた心の基盤が、今後の心の成長の糧となっていくようです。

1歳児 S君

新入園児のお子様が朝泣きながら担任の所へ手を伸ばしていました。担任は「えらいね!ママバイバイだね!また来るもんね!遊ぼー !」 と励 ま している姿 を じーっと見ていたS君、「あい!」と自分が手に持っていた車の玩具を手渡そうと差し出します。「S君ありがとう!」「どうぞだって良かったね!」と担任、それでも泣き止まないので今度は可愛い小さな手で〝いい子 いい子 ″ をす るように頭を撫で始めました。こんなに小さくてもしっかり共感!とても微笑ましい姿にみんなで癒された一コマでした。

お子様達の仕草や目線・表情・会話・行動などから感じる”子どもの心”をお伝えしたり、ご家庭で感じられた姿もお知らせ頂きながら、皆様と一 緒に”子どもの心”の理解を深めていきたいと思います。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2023年5月号より抜粋)