年末年始のお休み明け

新年、あけましておめでとうございます。

“日本の社会が人々に温かく、一人ひとりが安心して心穏やかに過ごせる暮らしを願う”
今年も祈願してきました。

今年は、新年早々から災害や事故の報道に驚き、現地の方々のお気持ちを察し、心痛めるスタートとなりました。一刻も早く平穏を取り戻せるよう願うばかりです。

毎年のことですがこの年末年始のお休み明けは、お子様たちの成長を実感します。1週間(長いお子様は2週間以上)保育園をお休みし、身体はもちろんのこと心の成長も大きく逞しさを感じます。

薬をつけることに不安が高い5歳児Mちゃん、はじめは大泣きをしながら〇〇で避んでいたらこうなっちゃった~ !」と必死に訴えます。「そっかあ、痛かったね。見せてね」と言うと指先のすりむき傷を差し出しながら「私、こういうの苦手なの !痛いの嫌なの!」と語り始め「そうだよね!知ってるよ!でもこうして見せてくれるし、薬の覚悟もできていてすごいね!」と会話をしているうちに涙は止まり、手当てが終わるまで落ち着いて出来ました。

気持ちを受け止めてもらえた安心感、“苦手だけどちょっと頑張ってみよう” と思えるようになるまでの過去の経験、日々の積み直ねの中で確実に成長していくお子様たちです。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2024年1月号から抜粋)

テープと糊

お迎えの時に嬉しそうにお家の方に自分の作ったものを見せるお子様達。4・5歳児クラスを中心に12月初旬ごろから、自分で作ったもので遊ぶことを楽しむお子様が増えています。担任もお子様一人一人の興味関心に合った素材(新聞紙や空き箱、画用紙など紙製のものを中心に)を用意し、ハサミを上手に使い思い思い自由な工作を楽しんでいます。

主活動の製作遊びでは、接着時の素材は糊(でんぷん糊)を使っています。すぐに貼ることが出来るセロテープではなく、糊やボンドなどを使って作る事もあります。しかし、セロテープの便利さを知っている4・5歳児にとっては糊やボンドの接着スピードや汚れることは魅力的ではなく敬遠されがちです。見た目はきれいでしっかり接着されますが、そこまでの工程がお子様にとってはセロテープの方が使いやすいのは正直なところです。

担任達も素材や用途を考えながら、時には小麦粉をお湯で溶かした糊を使い、大きな紙にダイナミックに貼ること(ハリボテ)や糊・ボンドの接着を実験方式で見せ、乾燥すると透明になる見た目のきれいさ、接着の強さなどを伝え、糊やボンドの魅力を知ってから遊び始める事もあります。もちろんガムテープやセロテープの良さもありますので、素材や大きさ、用途に応じながら、徐々に「すぐに遊べる」ものから「見た目がきれい」なもの「頑丈で壊れにくい」ものへ意識が変化していくことでしょう。

今後も、手が汚れながらも夢中になっているお子様の目の輝きを大切にしながら、発想豊かな伸び伸びとした時間を存分に作り、試行錯誤しながら正解の無い、工夫する心地良さを感じる自由工作を楽しんでいきたいと思います。

「白樺」園長 品川 晃彦
(「白樺」もえぎ 2024年1月号より抜粋)

学年クラス関係なく

今年の10月は天候も良く、秋の自然に親しみながら園外保育や遠足など、存分に楽しめたようです。日頃の園庭での遊びも、学年ごとに一段とのびのび意欲的に楽しむ姿が多くなりました。そんな中、きょうだい関係なく小さなクラスの子ども達と幼児の子ども達が微笑ましく遊ぶ姿も増えてきました。

3歳児S君

1歳児クラスのYちゃんと手をつなぎお砂場に向かうS君。大きなスコップを持ちどうするのかな?とみているとそのまま手をつなぎながらすくって山作り、扱いにくそうにしながらも離しません。そこへ他の幼児がやってきて参加、S君はスコップを手放しYちゃんと手をつないだままわんばく砦(幼児用)に向かいます。暫く立っていましたがYちゃんがまだ登れないことに気づいたのでしょう。何やら話しかけ一人で登 っていきました。ひとり立ちすくむYちゃん、どうするのかな?とみているとじっと待っています。滑り台をおり駆け寄るS君でしたが、ほんのわずかな差で、幼児たちが近くを走り回る姿に危険を感じた1歳児の担任がYちゃんを誘い砂場に戻っていきました。二人の思いは分かりませんが、とても温かな光景でした。

3歳児N君

ちびっこランド(乳児用)の中、きょうだいでない1歳児Rちゃんと一緒にいたN君。揺れる梯子に足をかけるRちゃんを見守るように傍にいます。私が近寄ると「だってY君(Rちゃんの兄)まだ着替えているから...」とのこと。後から担任に話すと3人はとても仲良しで、一緒によく遊んでいるようでした。

日常を保育園という生活環境の中で過ごすお子様達。学年クラス関係なく好きなお友達、お気に入りの子を見つけ親しみをもち遊ぶ姿に、大人の介入を必要としない子ども同士の時間があり、会話がなくとも信頼感を得て一緒に過ごす関係性に感動しました。子ども達の時間、温かな感性、素敵ですね。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2023年11月号より抜粋)

社会の中、人の中で生きていくための学び

秋は一年間でも最も食欲旺盛な季節です。10月は運動遊びの余韻を楽しみながら、園外にも多く出かけ、身体を存分に動かして遊びます。

歩く距離も、徐々にのばしていきます。歩くこと、走ることは身体運動の基本です。疲れた、足が痛い、座りたい、水が飲みたいとすぐに訴えてくる子どもたちが気になる昨今です。ヘトヘトになるまで走り回る、動き回って遊ぶ機会を敢えて作ることも成長期である子ども達には大切な経験だと考えています。

また、2歳と幼児クラスの子ども達は秋の遠足に出かけます。クラス毎にねらいを持ち計画を立てていますが、お子様たちにとっては貴重な経験の機会となります。保育園と家庭の行き来の中で過ごしているお子様たちも多いのではないでしょうか。

社会のルールやマナーを学ぶ、周囲への気遣いをする、持ち物を自分で管理する、集団で行動するなど、出かける場所や遠足の内容によって経験することは様々です。社会とのつながりの中で起きる様々な出来事、体験が貴重な学びとなります。

バスの乗るとき降りるときに運転手さんに挨拶をする、公園の入口で挨拶をすること、クラスの皆や他のお客さんに迷惑にならないようにマナーを守って行動することなど、遠足では多くの事を実体験し、学びにつなげていきます。

ご家庭でお出かけになるときも同様です。買い物も、“お店に並んでいる物をお金で買うことで持ち帰っても良いこと”を具体的な体験から学ぶチャンスです。キャッシュレスの時代とは言いますが、お財布からお金を支払う様子を見せることも大切です。

また入口で自分の後ろから入って来る人を気遣ってドアを押さえてあげてほめてもらったり、店内で、はしゃぎすぎて見知らぬおじさんに叱られることも子ども達にとっては良い経験です。「すみません迷惑をかけて」と子どもと一緒に謝れますか?

「うちの子になに言うんですか!」と逆ギレしてしまう親御さんもまれにいると聞いたこともありますが、皆様はどのように思われるでしょうか。社会の中、人の中で生きていく子ども達です。社会の中で、人との中で得られる学びの機会を大切にしたいと考えています。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2023年10月号より抜粋)

”優しい心”を生まれ持っている

1歳児T君

0 • 1歳児の子ども達が園庭でのびのびと思いのままに楽しんでいた時のことです。少し離れたところで遊んでいた0歳児のHちゃんが、危ない所に向かいそうになり0歳児の担任と私が咄嵯にHちゃんに駆け寄りました。0歳児の担任の側で遊んでいたO君、急に担任が離れ不安そうに「フンフンフン ・ ・ ・」そこへ1歳児のT君、自分が手に持っていたバケツとシャベルをO君に差し出し、シャベルを回して見せたり中の葉っばをすくってみせたり・ ・ ・、O君もじっとT 君の手先を見つめていました。ときどきO君の表情をのぞき込んではやってみせる、まるであやしてくれているような姿に感動しました。

まだ年齢的にも小さな乳児部の子ども達でもこのように相手の姿から何かを感じとり、思いやりを示す光景をよく目にします。0歳児の保育室でも泣いている子に近寄り頭を撫でたり、玩具を渡そうとしたり、子ども達は本当に“優しい心’’を生まれ持っているのかもしれませんね。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2023年10月号より抜粋)

2学期の始めに

「早寝、早起き、朝ご飯」生活のリズムを整えましょう。
子どもの姿、どこが違いますか?

◎望ましい生活リズムができている子どもの姿

  • 心が安定している(穏やかでトラブルも少ない)
  • 何事にも意欲的で食事もよく食べる
  • 自ら気持ちの切り替えが出来る
  • 落ち着いて人の話をよく聞ける

◎就寝時間の遅い子どもの姿

  • 心が不安定になりやすい(すぐに泣いたり怒ったりしやすい) 
  • 何事にも意欲が薄く依存的
  • 気持ちの切り替えに時間がかかりやすい
  • 食事中や話を聞く時など意識が散漫になりやすい(ボーとするなど)

◎いつも9時までに登園する子どもの姿

  • その気で登園しているため母親(家族)から離れるのもスムーズ
  • 着替えや支度も手際よく行い、主体的に活動や遊びに入れる

◎遅刻、不規則な時間に登園することが多い子どもの姿

  • 支度を自分でする意欲が少ない、また緩慢になりがち
  • 活動や遊びになかなか入れずに、受け身の姿勢になりやすい

生活のリズムを整えることが重要な事は言うまでもありませんが、毎年、2学期の始めに改めて意識して頂きたいと思い書かせていただいています。

家庭の事情は様々ですが、お子様が成長期である事は変わりません。ダイナミックな成長を見せる2学期だからこそ、生活リズムを整えて、皆様と一緒にしっかりと成長を見届けていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2023年9月号より抜粋)

子どもの発想力を育むもの

お休み明けのお子様達から「プールいったよ!」「おじいちゃんおばあちゃんの所にいったの!」「水族館でねマンボウみたよ!こ~んな大きいの!」「私は〇〇ランドに5人でいったよ!」など、一人のお子様がお話を始めると次々と目をキラキラさせて報告が始まります。やはりご家族と過ごす時間はお子様達にとってかけがえのない楽しい時間であると共に、豊かな経験が出来る貴重な時間にもなることを改めて感じています。

2歳児4~5人

「なすとピーマンがとれました!」この夏何回目でしょうか?収穫したその日に塩もみにしたり、炒めたりと様々な方法で口にしてきたうさぎ組さん。「今度はどうやって食べようか?どうやって食べる?」と声にすると、「こうやって!」と手を口元にもっていき食べる動作を教えてくれるY君、「確かにそうだよね!」と微笑ましくお話していくと、次は「こうやって!」と包丁で切る動作を教えてくれたN君、「そうね切ってね!切ったらどうする?」「・・・・・」その他2~3人の子ども達が思い思いに頭の中では描いていそうですが言葉にはなりません。2歳児らしいやりとりと一生懸命に考える姿に成長を感じました。

5歳児Hちゃん

3歳児R君の治療の付き添いを頼まれ事務所に来ました。治療を終えて椅子から降りようとするR君に「手はここだよ!」「ここもってごらん」と自分で降りられるように教えてあげています。しっかりと足が床に着くまで見届け「でった~!」と喜ぶR君に「できたね」と共感、その後保育室に走って戻るR君の後ろからスピードを合わせて見守りながら戻ってくれました。まるで保育者のようです!

子ども達は日々の経験、人との関わりの中から自らの発想に繋がっていきます。豊かな経験、思いやりのある日常的なかかわりの大切さを改めて実感したお子様達の姿でした。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2023年9月号より抜粋)

「間違えちゃったんだよ…」

最近、“いけないことをしてしまった”と自分でわかっているのに「間違えちゃったんだよ…」と伝えてくるお子様の姿が気になっています。

つまり“いけないこと”とわかってしたことを、「間違えちゃったんだよ」と子が言ってきた時に「そうか仕方ないね、今度は間違えないようにしようね」と終わりしてしまって良いのかということです。

自分がいけないことをしたことをわかっていて、怒られるかも知れない…、何か言われるかも知れない…、と感じている時に、「間違えちゃったんだよ」とその場を取り繕う言葉を認めてしまうと、自分の非を認めない心の芽が育ってしまうのではないかと気になっているのです。

「怒られないで済んだ」「うまくごまかせた」と自分の非を認めずに経験を重ねて行くことは、本来軌道修正しなければならない事柄を放置していることと同じで大変心配です。

ごまかすのではなく、いけないことをしてしまった事実を素直に認めたうえで、同じ間違え、失敗を繰り返さないようにする。それを幼児期、学童期に日々の経験から覚えていく、教えていくことが大切なのではないでしょうか。

4.5歳児の発達期の特徴として、物事の予測が付く、想像ができるようになる前頭葉の発達とともに、想像することができるようになり、見通しを持って生活したり、遊びを展開することができるようになります。遊びのルールを守って楽しむこともできるようになるのもこの時期です。一方で自分の行為や言動、保育園での出来事を自分の都合で、また自分本位で大人に話すこともできるようになります。「○○くんが叩いてきた」と訴えてくることがありますが、叩かれたことの原因が自分にあることは、よく聞いてみないと話しません。

友達が使っていた玩具を強引に奪い取ったことが原因で叩かれたとしても、「○○君が叩いてきた」と主張するのが子どもです。その場面だけを認識していることも多いのですが、中には自分に原因があることを話すことは不利だと智恵が付いてくることもあります。

「どうして○○君は叩いてきたのかな?」と場面を思い出させるように聞くと、「ボクが玩具をとったから」と話し始めることも多いようです。保育園では「そうか、仲良く遊ぶために「一緒につかおう」「貸して」っていってみれば良かったかもね。」と相手の気持ちや思いを考えさせ、どうすれば良かったかを一緒に考えるようにしています。

叩いてしまった子には「どうして叩いちゃったの?」と聞いた時、もし「間違えちゃったんだよ」を答えが返ってきたら、「間違えないようにしようね」で終わらせるのではなく、「なにを、間違えてしまったのか教えて…」「同じ間違えをしないように一緒に考えよう」と一つ一つの事柄に丁寧に向き合うようにしています。「使っていた玩具をとられて嫌だっただね、イヤだよ、とらないでってお話ししようね」「叩くのは痛いからやめようね」と伝え、その都度、経験からどうすれば良かったかを伝え覚えていくことを積み重ねていけるとよいでしょう。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2023年7月号より抜粋)

「叱られるのかと思ったのかな?」

4歳児 Y君

「タンスにぶつけちゃったの ・ ・ ・」ひっかき傷のような跡と血も少しにじんでいたので、保育室内の確認をしようと「そっか、どこでぶつけたのか教えてくれる?危ないものね」と手を繋いで2階に行こうとしました。急に立ち止まり「かいちゃったんだ~」と照れながら教えてくれました。「な~んだ、そっか安心したよ。お部屋の棚が危ないのかと思って心配したよ」「かいちゃって血が出たから叱られるのかと思ったのかな?」「うん 」「痒い時 とぶつけた時 とはお薬も違うから、本当のことをお話してくれてよかった!」と伝えると治療後にニコニコ笑顔で保育室に戻っていきました。

Y君は小さな時から虫刺され後が腫れやすかったり、ひどくなると伝染性膿痴疹(とびひ)の心配もしていたので、今までの経験から〝きっとʻʻ掻いてしまうと叱られる〞と思ってしまったのかもしれません。その気持ちを受け止めつつ、正しく伝えることの大切さを感じて欲しいと思い関わりました。

4·5歳児にもなるとこのような会話は日常茶飯事です。大人からみると〝ʻʻ嘘をついている〞と感じてしまいがちですが、子どもには子どもなりに善悪の判断も考えるようになり、今までの経験から自己を守るかのように話しているのかもしれません。言葉の使い方も未熟な年齢なので、会話をしながら真意を読み取り、今後のコミュニケーションに繋がる関わりを大切に重ねていきたいと思います。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2023年7月号より抜粋)

子どもの心に共感しつつ伝える

お子様達はどのクラスもようやく今年度の生活環境に慣れ、のびのびと遊んだり探索や発見に目をキラキラとさせて楽しむ姿が多くなりました。先日の懇談会では、ご家庭での育児を伺う機会にふれ、改めて保育園とご家庭が日常の些細なことでも共有し合う事の大切さを感じました。

2歳児M君連絡帳の内容より

家族でよく川に行き、川の中に石を投げて遊んでいるとのこと。ある日買い物に出かけた時のエピソードを知らせてくれました。同じような石を見つけ投げてしまったM君。当然、お父さんに叱られてしまい、泣きながらお母さんの所に駆け寄ったそうです。お母さんに川でいつも投げて遊んでいることに共感してもらいつつも、お店の中は危ないから投げてはいけないことを諭されお父さんに謝りにいったそうです。
子どもの心にはしっかりと共感し、公共の場でのマナーを育てられている姿に感動しました。

5歳児Mちゃん

つい最近まで治療の度に大泣き、患部を手で覆い見せてくれず、大したことが無さそうな時には流水でサッと洗うだけにしたり、なんとかミツロウだけ塗らせてくれて終えることが多かったMちゃん。5歳児になり「私は痛いのが苦手なの!」「だからやらない!」目に涙をためながらもしっかりと言葉で伝えます。
トゲが刺さっていたので「そっか、痛いのは嫌だよね。みんな苦手だと思うよ。」と共感しながら一緒に考えていけるように話してみました。刺さったままの痛さや一瞬の我慢、しばらく絆創膏で覆い皮を柔らかくしてから抜くと痛みが和らぐことなどなど。Mちゃんの答えは絆創膏でした。翌日には「お家でとれたよ」と笑顔で報告に来てくれました。

人はみなそれぞれ感性があり、その感性は他人が全く同じに感じることは不可能です。たとえ小さな子ども達でも、その子なりの感じ方や経験値から予測する感性はそれぞれです。いつでもどんなふうに感じているのかな?と考えてみることは心を知る上でとても大切なことですね。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2023年6月号より抜粋)