“叱るより、褒めることで人は育つ”と先人の言葉が多くありますが、子育てもまさにその通りです。成長したことを褒めて自信を持たせ、次のステップにつなげていく、そして頑張ったことをまた褒めて、喜びや意欲を膨らませていく、その繰り返しです。
ただ、躾なければならない時もあります。わかってほしいこと、伝えたいことを言い聞かせ、愛情をもって心配する、気持ちを繰り返し伝えていくことが大切です。
「できないと学校にいけないよ」「これじゃ赤ちゃん組のままだよ」など親御さんの不安や感情を子どもに向けるやり方は、子どもの心をいじけさせるだけでなく、不安を抱かせることにつながり、良い解決や結果にならない事は経験からもおわかりと思います。
特に就学を控えたお子様達の中には、期待と不安が入り交じった複雑な思いを持っているお子様も少なくないはずです。「大丈夫だよ」 「考えてできたね」 「支度ができて偉いね」と“これでいいんだ” “ボクを(わたしを)見ていてくれている” “大事に思ってくれている” と感じられるように言葉がけをしたり、褒める機会を、敢えて作ってあげると良いでしょう。
ひとりひとりの成長のスピードは違います。周囲の子と比較したり、できていないことばかりに目が向きがちですが、少しでも変化のあったところ、成長したところに目を向け、その芽を大切に育てるつもりで、ほめたり励ましてあげられると、お子様も安心して力を発揮することができるでしょう。
「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2025年1月号より抜粋)