今年度も残り1か月となりました。最近のお子様達からは、次年度の学年の姿を感じる成長を多く見かけます。
<4歳児 Mちゃん>
事務所にお友達と2人で紙をもらいに来ました。 「A4のかみを10まいください!」私が 「じゃあ数えててね」と言って1枚ずつ順番に手渡していきました。お友達は私の手から離れる時に数えています。
「1・2・3・4 ・・・」するとMちゃん「ちがう 1・2、1・2 でしょ!」と自分の手に渡された時にカウントします。もうすぐ5歳児になる2人がどのように折り合いをつけるのか、私はあえてそのまま何も触れずに渡し続けました。Mちゃんの言葉を気にせず、私の手から数えるお友達の唱え方に合わせ始めたMちゃん、「・・・9・10! これでおわりだよ。5まいずつだ!」「おしまい?大丈夫?」と尋ねる私に、「うん!」と2人で声を合わせて意気揚々と保育室に戻っていきました。
<5歳児T君>
花粉症があり事務所に目薬をつけてもらいに来ていました。つけ終えた後になかなか保育室に戻りたがらないT君。看護師に聞くとお友達に泣いていると思われるのが嫌だということでした。そこで私はT君の気持ちに共感した後 「じゃあさ、“だって花粉症だからしょうがないんだもん!” ってみんなに言ってみたら?」と提案しました。すると「そっか!」と急に立ち上がり「だってかふんしょうだからしょうがないんだ・・・」と何回も呟きながら階段を上がっていきました。
どちらの例も心の発達がしつかりと読み取れる事例です。
“人はみな感情があり、その場の状況に合わせて自分の気持ちと折り合いをつけていく”
子ども達の心の成長は、私達大人に改めて人の中で生きる力の学び直しをさせてくれています。
副園長 若山 望
(「櫻」つくしんぼ・そよかぜ 2023年3月号より抜粋)