“どうしたの?、なにが嫌なの?”

電車の中での一コマです。ドア2つ分くらい離れていたでしょうか、子どもの泣き声が聞こえました。“なにかダダをこねて叱られたかな?”と思っていましたが、2駅すぎても3駅過ぎてもその泣き声はいっこうにおさまりません。むしろ泣きながら主張しているかのようでした。両親は近くにいたのですが、母親はその事態にオロオロ…、父親はイライラしながらも子の背を叩いてなだめますが泣きやみません。

近くにいた乗客も可哀想にと眺める人、あきれ顔の人と様々でした。離れていたことから泣き出した原因はわかりませんが、“泣いて訴えているその理由”に両親ともに向き合えていない、また向き合おうとしていない、若しくはどうしらた良いのかわからない状況にあったように感じました。

“どうしたの?、なにが嫌なの?”、“○○をしたい気持ちはわかるけれども今は我慢だよ!”、など子どもの気持ちを受け止めてあげて、整理をつけてあげられないために余計に泣いて主張が強くなっている、そんな印象を受けたのですが、実際のところはわかりません。

気持ちを理解しすぎて、子ども中心で親が振り回されてしまうのも気になりますが、なぜこのような態度に出るのか、心の中でモヤモヤしている心理を察し、まずは子どもの気持ち、主張を受け止めて向き合い、受容してあげることが大切です。

その上で今はできない、してあげられない、電車を降りてからね、などと子が納得できるように言い聞かせてあげられればこの子の心も救われたのかも知れません。

自分の気持ちに向き合ってもらえない、いらだちがさらに自己主張を強くするのではないでしょうか。

公共の場で、よく目にする光景ですが、皆様はどのようにお考えになるでしょうか。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2026年1月号より抜粋)