自己主張との付き合い方

1~2歳児クラスのお子様の連絡帳や子育て相談で一番多い内容です。

<2歳児Nちゃん>
「ひろちゃん!ひろちゃん!」と叫び続けるNちゃん。(ひろちゃんとは、「櫻」で飼っているうさぎさんです) あまりにも大きな声で叫ぶので「ひろちゃん見たいの?じゃあ一緒に行く?先生に “ひろちゃんの所に行ってきます’’ ってお話しよう」と近寄りました。でも言葉にはしません。表惰はしっかりと私の目を見ています。代わりに私が代弁をし、ひろちゃんの所にいきました。

しかし、またそこから行先は違います。園長先生のいる所を指差し室内へ、しかし園長先生はいませんでした。それでも出て行こうとはしません。「園長先生がいいの?じゃあ待ってようか。」というと事務所内をウロウロ…。そこへ園長先生が入ってきました。「園長先生と遊んでからお部屋に帰る?」表情は冴えません。そこで園長先生が 「ひろちゃんにご飯あげに来たのかな?」との声に「それ!」と言わんばかりの表惰をみせるNちゃん。「〇〇先生と一緒にあげておいで、そうしたらお部屋に帰るんだぞ!」と袋に入った餌を園長先生からもらい大満足。ひろちゃんに 餌をあげて素直に保育室に戻りました。

「ひろちゃん!」と叫ぶことしかできなかったNちゃん。本当は先生と一緒に餌をあげてから保育室に行きたかったけれども、園長先生の所から餌をもらわないと出来ないことが分かっていて、その説明は難しかったのでしょう。

このようにこの時期のお子様達の自己主張の内面は、上手に言葉で伝えることが難しく、叫んだり怒ったり泣いたり して訴えているのだろうと感じることが多々あります。過去にあった出来事から、自分なりに見通しをもち生活するようになってきた成長の姿です。主張の中に潜む思いを察し、気持ちに寄り添えることが大切です。

日頃、担任達もお子様達の内面にたくさん向き合っています。関わりが難しいと感じる時には、ぜひ担任達と沢山 相談してみてくださいね。

副園長 若山 望
(「櫻」つくしんぼ・そよかぜ 2022年10月号より抜粋)