じっくり取り組む喜び

「ねえ見て…」と自分が書いた絵を見せにきてくれる子ども達、得意気な表情を浮かべています。“上手だね、よく見て描いたんだね、すごい!” “丁寧に色を塗ったね” “元気いっぱいだね” などと応えると少し照れながら満足して部屋に戻っていきます。

空き箱や廃材を使っての製作あそびでも、様々な工夫があるようです。

こんなふうに作りたい!、イメージは広がっているのでしょう。でも “うまくいかない” “どうしたらできるかな…” と試行錯誤していく中で、“もうやらない” “これでいいや” と気持ちを切り替える事もありますが、“どうしても思っているようにしたい” と強い意志を持って取り組む子もいます。

「ここに付けるには何で付けたらいいの?」大人に聞きながら試行錯誤しながらじっくりと取り組み、何とか自分の思う形に近づけようと頑張る姿、思うようにできた達成感と満足した表情は、子ども達の成長を感じると同時に3学期ならではの姿を感じます。

じっくり取り組む姿は造形遊びだけではありません。コマ回しでヒモをコマに巻き付けるのに一苦労です。力を入れると崩れてしまい上手く巻けません。加減をしながら何とか巻き付け深呼吸、いよいよ姿勢をとってコマを投げますが…、上手く回りません。

「惜しいね、もう少し」と大人に声を掛けられ、気を取り直してまたやり直し、根気強く何度も挑戦する子どもたち。けなげな姿に何とかしてあげたいと大人が手を添えて回わせた時は少し嬉しそうでしたが満足はできないようです。その後も一人で真剣に取り組む姿は、「回せるようになりたい!」と自分の力で成長のステップを登ろうとしているようで逞しさを感じます。いまも応援を続けています。

「櫻」園長 若山 剛

(「櫻」つくしんぼ・そよかぜ 2022年2月号より抜粋)