“子どもの心”の理解を深める

保育園で生活をするお子様達は、自分の思いを言葉で伝えることがまだまだ難しい年齢です。0歳児の赤ちゃんだけでなく、言葉を使うようになった幼児部のお子様でも、自分の気持ちを上手に言葉で伝えたり、相手に状況を説明するなど、言葉を使ってコミュニケーションを取りながら生活することは難しいものです。

子どもの気持ちがよく分からずに大人が戸惑い悩んでしまったり、また、子ども同士がうまく思いを伝えられずに、お友達と喧嘩になってしまうのも当然ですよね。子どもの思いを理解し受け止め共感したり、時には気持ちに寄り添いながら言い聞かせるなど、“子どもの心” を感じながら子どもの身になり考えていく生活は、子育てのコツとも言えます。そして共感してもらえた心の基盤が、今後の心の成長の糧となっていくようです。

1歳児R君

お母さんとの離れ際からしばらく泣いてしまうR君。玩具に誘ったり遊び出せるような担任達の工夫は、逆に泣きが強くなり受け入れてくれません。抱っこをしてもらっていると安心するようなので暫くそうすることに…、すると泣かずに周囲を見るようになってきました。’‘抱っこ’’という安心スペースが遊びへの関心に心を向けてきたようです。眠る・食べる・抱っこしてもらう、3つの安心材料が基盤となり、最近では自ら歩いて関心のある玩具を取りに行ったり、時折笑顔もみせてくれるようになってきました。

お子様達の仕草や目線・表情・会話・行動などから感じる“子どもの心”をお伝えしたり、ご家庭で感じられた姿もお知らせ頂きながら、皆様と一緒に“子どもの心”の理解を深めていきたいと思います。

副園長 若山 望
(「櫻」おひさま 2025年5月号から抜粋)