少しの工夫で完食に

月末に翌月の献立表をお配りしています。年度当初にお渡ししてある食育計画にもある通り、まごわやさしい(豆類・種実類・海藻類・野菜類・魚介類・きのこ類・芋類)の旬の食材をバランス良く取りいれた内容になっています。

翌月の献立を立案する際には、「櫻」と「白樺」の両保育園の栄養士が集まって会議をしています。子ども達が喜ぶメニューや味付け、栄養価も考慮して検討します。

一ヶ月で2回同じメニューがでるようになっていますが、“食わず嫌い”にならないために敢えて同じメニューを出しているのです。また毎月、中旬頃に前半の子ども達の食べ具合を各担任から栄養士、調理師が会議で聞き取り、味付け、食材の切り方、食品の組み合わせなど2回目の調理に役立てるようにしています。

先日、その時に話題になったことですが、6月6日のブロッコリーとカニカマの餡かけメニューの食べが悪いことが話題になりました。職員からは好評だったメニューですが、子ども達にとっては口に合わなかったのか残食が目立ったというのです。

5歳児の担任から「餡を子ども達の目の前で掛けて見せてから出してみてはどうか」の提案があり、さっそく2回目の20日に実践してみました。

するとどうでしょう、全員が「おいしい、おいしい」とおかわりをするほどで、残食はなかったと嬉しい報告がありました。これに限らず、和え物を目の前で和えて見せることでも関心を持って食べてくれるようになることも多々ある事例です。

栄養計算をして食事を提供していても、子ども達が食べてくれなければ意味がありません。畑やプランターで野菜を育てているのも、子ども達の食材への関心を高めるためのねらいがあります。調理室と保育に携わる各担任が連携して、少しの工夫の積み重ねを大切に食育を進めていくことが大事と考えています。

野菜嫌いの子も不思議と自分たちで栽培し育てた野菜は「おいしい」と食べることができ、そのことがきっかけで食べられるようになることも珍しくありません。

“嫌いだから”と決めつけず、ご家庭でも一工夫してみてはいかがでしょうか。

「櫻」園長 若山 剛
(「櫻」おひさま 2024年7月号より抜粋)